浜口総合法律事務所

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2020.06.17

新型コロナウィルス関連 ~ 賃金について

Q.「私の勤務する会社は新型コロナウィルスの影響で業績が大幅に悪化し、今のままの給料を支払い続けることも難しいようです。そこで、経営者と相談して一定期間会社を休業することを考えていますが、その場合の給料はどのように考えればよいのでしょうか」
A.①有給休暇の取得、②有給の特別休暇の取得、③通常の給料の支給、④休業手当の支給、などが考えられますが、労使で良く話し合っていただくことが望まれます。

1)有給休暇の取得
労使で話し合い、法定の有給休暇とすることが考えられます。
2)有給の特別休暇の取得
  労使で話し合い、法定外の有給休暇とすることも考えられます。
3)通常の賃金の支給
  使用者の都合で従業員に休んでもらう場合、本来、使用者は通常の賃金を支給する必要があります(民法536条2項)。
 「使用者の責に帰すべき事由」に当たらない場合には、支給の必要はありません。非常事態宣言が出されている現状からすると、業績の悪化の具体的な原因や会社の態勢、休業回避の方策やその努力の有無などから、「使用者の責に帰すべき事由」に当たらないと解される場合もあり得るのではないかと思われます。もっとも、この場合も、4)の休業手当の支給を検討する必要があります。
4)休業手当の支給
  労働基準法第26条では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の60/100以上)を支払わなければならないとされています。この場合、支給要件に合致すれば、雇用調整助成金の支給対象になります。
使用者の責に帰すべき事由に当たらない場合は、休業手当の支払義務はありません。ここでの使用者の責に帰すべき事由に当たらない場合は、3)よりも狭く、①その原因が事業の外部より発生した事故であること、②事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であること、の2つの要件を満たす必要があります。休業回避について最善の努力を尽くしていない場合は、「使用者の責に帰すべき事由による休業」として休業手当が必要となることがあります。
 以上、いずれにせよ、労使で良く話し合っていただくことが望まれます。

2019.02.08

後継ぎ遺贈型受益者連続信託について

Q.「私には妻と、前妻との間の子供(長男)がおります。私には5000万円相当の自宅と、約5000万円の預貯金があります。長男は今のところは信用しているのですが、妻が病気がちですので、私が亡きあとには妻に財産を利用させ、妻が亡きあとには長男に財産を承継させたいと思っています。
このようなことはできるのでしょうか。」

1 ご相談者が亡くなった場合、財産は奥様とご長男が1/2づつの割合で相続することになり、奥様がご自宅を相続して利用できるようにすると、預貯金はご長男が相続することとなり、奥様は十分な生活費を確保できない可能性があります。
2⑴ 遺言で財産を奥様に相続させるとすることはできますが、奥様が遺言を作成しないと、奥様亡き後、ご長男は奥様が取得した財産を承継できません。
この点、奥様が亡くなった後には財産をご長男が承継するという内容の遺言(後継ぎ遺贈)はできないと考えられています。
 ⑵ また、遺言で、ご長男に遺贈することとし、その際に奥様に財産を利用させるという負担を付ける(負担付き遺贈)ということも考えられますが、実際にご長男がこうした負担を履行するかの保証はありません。
3 そこで、信託という制度を利用することが考えられます。
  例えば、
  ① まず、ご相談者が財産をご長男に信託譲渡して、ご長男が受託者、ご相談者が委託者兼受益者となります。これにより、財産はご長男が管理することとはなりますが、ご相談者の生前は、ご相談者が財産を利用することができます。
  ② ご相談者亡き後は、奥様が第2次受益者となることにより、奥様が財産を利用することができます。
  ③ 奥様亡き後はご長男に権利を帰属させることにより、実質的に後継ぎ遺贈と同様の効果を実現することが可能です。
  もっとも、受託者であるご長男の監督の必要性や、上記②の際のご長男の遺留分の検討、また、税金の検討なども必要ですので、実際にこうした信託を検討される際には、弁護士などの専門家にご相談することをお勧めします。

2018.09.06

台風による飛散損害について

Q.「私は一戸建てを所有していますが、先日の台風21号で屋根瓦が飛び、それがお向かいのお宅の自動車に当たって傷を付けてしまいました。
   でも、当日はとても強い風が吹き、ほかの住宅でも瓦が飛んだりその他のものが飛んだりしているような状態でしたので、自然災害だから私は責任を負わないということでよいのでしょうか」

1 建物などの土地工作物の設置・保存に瑕疵があり、そのために他人に損害を及ぼしてしまった場合には、建物の 所有者はその損害を賠償する責任があります(土地工作物責任)。したがって、瓦が飛んで他人の自動車に傷を付 けてしまったのであれば、原則としてその賠償を責任する必要があると考えられます。
  しかし、いままでに無いような予想外の強風によって瓦が飛んだような場合には、いわゆる不可抗力によるもの として、責任を問われることはありません。
  もっとも、瓦の設置方法に問題があったり、メンテナンスに問題があるなどして、予想外の強風でなくても飛ん でしまったと思われる場合には、やはり、設置・保存に瑕疵があったとして責任を負うこととなります。
2 先日の台風21号では、大阪市内の最大瞬間風速は47.4mを記録し、およそ半世紀ぶりの強風だったようで す。したがって、瓦が飛んで損害を与えても、いわゆる不可抗力によるものとして責任を問われないとも考えられ そうです。
  しかし、建物の築年数やその後の屋根の状況などから、メンテンナンスを適切に行っていなかったと考えられる ような場合には、やはり責任を負う場合もあると考えられます。
 過去の裁判例でも、最大瞬間風速38メートルの台風で、築後8年半経過した家屋の瓦が飛散して隣家を損壊した 事案で、それまでに特別な異常は見受けられなかったものの、風速14.5メートルの時に飛散を始めていたこと や、近隣建物より屋根の被害が大きかったことなどから、修理費の1/3の賠償が命じられたものがあります。
3 ご相談の事案でも、お向かいとの今後の関係や、上記の裁判例などから、可能であれば、ご相談者が何らかの負 担を含む話し合いによる解決も検討してもよいのではないかと思われます。

2018.09.04

震災と借家について

Q.「私は賃貸住宅に住んでいますが、先日の地震で建物が一部壊れてしまいました。
①家主がなかなか直してくれないのですが、どうすればよいでしょうか
②家主から、直すために一時退去してほしいと言われていますが、退去しなければならないのでしょうか
③家主から、取り壊すから退去してほしいと言われていますが、退去しなければならないのでしょうか」

①について
建物が滅失しているような状態でなければ、原則として、家主に修繕を請求することができます。契約で、「修繕は借主が行う。」、となっていたとしても、それは小修繕(短期間かつ少額で修繕できるもの)に限られます。
家主が修繕してくれない場合には、損壊によって使用収益できない割合に応じて家賃の一部の支払いを拒否することができる場合もありますので、家主とよく話し合うことをお勧めします。
どうしても家主が修繕をしてくれない場合には、借主の方で修繕をして、その費用を家主に請求することもできます。
②について
借主が居住したままでは修繕ができないのであれば、修繕期間中は一時退去する必要があります。その際、引っ越し費用や仮住まいの賃料は家主に請求できませんが、一時退去中の家賃は払う必要はありません。
③について
修繕が可能で、かつ、過大な費用がかからないのであれば、原則として立ち退く必要はありません。
但し、家主の要求に「正当の事由」があれば、契約期間満了時(賃貸借期間の定めがないときは6カ月後)に立ち退く必要があります。ここでの「正当の事由」の有無は、損壊の程度、修繕費用と修繕により延びる耐用年数、立ち退きによる借主の不利益、家主が建物を利用する必要性、立退料の有無と額などを総合して判断することとなります。そこで、立退料を含め、家主とよく話し合うことをお勧めします。

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